WebデザイナーのためのRuby on Rails
Ruby on Railsは、Webアプリケーションのためのフレームワークです。
確かにそうなのですが、ソフトウェアを作るための道具、プログラマーのための道具、とみなしてしまうと、活用の幅を狭めてしまいます。
実は、静的なWebサイトの制作にもRuby on Railsは使えるのです。
企業サイトの制作を請け負えば必ず直面するのが、見た目はほぼ同じで、中身が少しずつ異なる多数のページをどう効率的に作るか、という問題です。
ひとつの方法は「テンプレートを作ってコンテンツを流し込む」というものです。これは、Web制作ソフトの定石と言ってもよく、例えば、Adobe Dreamweaverの「テンプレート」機能は、デザインが共通したWebページを大量に作るのを手助けする機能です。
これも悪くないのですが、効率化をとことんまで追求するなら、プログラム可能なテンプレートエンジンを試してみてはいかがでしょうか。
アプリケーションソフトの「テンプレート機能」は直感的で分かりやすいのですが、柔軟性に欠けるところがあります。現実世界のWebサイトは、ほぼ同じように見えるのに少しだけ違う多数のページからできています。その違いを生み出す条件は、アプリケーションソフトの枠内で表現するには複雑過ぎるのが普通です。
このようなとき、自由にプログラミングできるテンプレートエンジンが非常に大きな力を発揮するのです。
テンプレートエンジンとしてはPHPのSmarty、JavaのVelocity等が有名ですが、この連載ではRuby on Railsをテンプレートエンジンとして使ってみることを提案します。
記事一覧
- 第1回 Ruby on RailsによるWeb制作の基本的な流れ (2007/09/24)
- 第2回 変数、配列、ハッシュ (2007/10/01)
- 第3回 レイアウトと部分テンプレート (2007/10/08)
- 第4回 RailsのインストールとWebサーバの起動 (2007/10/22)
- 第5回 テンプレートファイルの配置と命名規則 (2007/11/12)
- 第6回 YAMLファイルの扱い方 (2007/12/03)
- 第7回 CSV形式経由でExcelデータを読み込む (2008/02/23)