フレームワーク対 CMS
2009/01/12
Ruby on Rails のライバルは、他のフレームワークだけではありません。
CMS (Content Management System) と呼ばれている一群のシステムとも競合します。
今回、比較の対象として選択したのは、以下の 5 つです。
- WordPress (PHP)
- Joomla! (PHP)
- Drupal (PHP)
- Xoops (Python)
- Movable Type (Perl + PHP)
比較基準としては、例によって Google Trends と indeed.com の Job Trends を利用しました。
CMS の世界はフレームワークの世界以上に、数多くの競合製品がひしめきあっています。
ここに挙げた 5 つ以外にも Nucleus CMS, Typo3, Mambo, Zope, Plone, PHP-Nuke 等があります。
なお、Joomla! は Mambo の後継プロジェクトです。
Google Trends
青が WordPress、赤が Joomla!、黄色が Drupal、緑が Ruby on Rails です。対象国は「アメリカ合衆国」です。
ああ!我らが Ruby on Rails は CMS に完敗です。
私の知らない間に、CMS の世界はすごいことになっていたようです。
2008 年は CMS の年だったんですね。
Rails の代わりに、Xoops と Movable Type を加えるとグラフは次のようになります(緑色が Xoops で、紫色が Movable Type)。
CMS への需要が拡大しています。2004 年にトップだった Movable Type は徐々に支持を失いました。
しかし、日本の場合は次のようになります。
海外では急速に支持を失った Movable Type が一定の勢力を維持している点が日本の特徴です。
2008 年に Xoops から WordPress へと覇権が移動しています。Joomla! と Drupal の人気は他の国ほどではありません。
indeed.com - Job Trends
CMS は本来専門的な知識がなくても使えるものなので、特定の CMS を指定しての求人はあまりないのかもしれません。
こちらでは Rails が他を圧倒し、面目を保ちました。
ただ、こちらのグラフからも、2008 年が CMS の年だったことがうかがわれます。
労働市場では、WordPress, Drupal, Joomla! を指定した求人情報がほぼ同じ軌跡を描いて 2008 年に急増しています。