『実践Ruby on Rails 4』環境構築手順 for macOS(2017年版)

2017/01/24

ある読者より拙著『実践Ruby on Rails 4』のChapter 2「開発環境の構築」に関して相談を受けました。書いてあるとおりに進めたけどうまく行かなかった、と。

私としては丁寧に書いたつもりだったのですが、改めて読み返してみると確かに曖昧なところがあります。それに、2年半余りの歳月が流れる間に(この本は2014年5月刊行)掲載したURLやバージョン番号が変わっていたりします。

そこで、環境構築手順を簡潔かつ明瞭にまとめ直してみようと思い立ちました。

『実践Ruby on Rails 4』はWindowsとmacOSの両方に対応していますが、これはmacOS編です。Windowsユーザーの方はWindows編をどうぞ。

私は macOS 10.12 Sierraで動作確認をしながら、この記事を書いています。古いバージョンの macOS でもたぶん大丈夫です。もし問題がありましたら、hermes@oiax.jp までご連絡ください。その際、この記事のURLとmacOSのバージョンをメールの本文に記載してください。

『実践Ruby on Rails 4』の内容は、Ruby 2.1とRails 4.1に基づいてます。2017年5月25日現在、それぞれの最新バージョンは2.4と5.1です。言語やAPIの仕様の違いはそれほど大きくはありませんが、本書に基づいて学習する際には、必ず刊行当時のバージョンのRubyとRailsを使用してください。

『実践Ruby on Rails 4』は入門書というよりもRails開発経験者向けの本です。初学者は『改訂3版 基礎Ruby on Rails』もしくは『Ruby on Rails 5.0初級①』からスタートする方がいいかもしれません。

この文章の内容は、随時更新しています。最終更新日: 2017/05/25

準備作業

VirtualBoxのインストール

  • ブラウザで https://www.virtualbox.org/wiki/Downloads を開きます。
  • 「VirtualBox binaries」セクションにある「OS X hosts」リンクをクリックして .dmg ファイルをダウンロードします。
  • ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールします。

執筆時のVirtualBoxのバージョンは4.3.10でしたが、2017年5月25日現在は5.1.22に上がっています。

Vagrantのインストール

  • ブラウザで https://www.vagrantup.com/downloads.html を開きます。
  • 「MAC OS X」セクションにある「Universal (32 and 64-bit)」リンクをクリックして .dmg ファイルをダウンロードします。
  • ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールします。

執筆時Vagrantのバージョンは1.5.3でしたが、2017年5月25日現在は1.9.5に上がっています。

vagrant-vbguest プラグインのインストール New

ターミナルで次のコマンドを実行してください。

vagrant plugin install vagrant-vbguest

Vagrantfileの入手と設置

ゲストOSにCentOSを採用する場合

mkdir -p ~/projects
rm -rf ~/projects/baukis
cd ~/projects
mv ~/Desktop/vagrant-rails-centos6-1.0.5.zip .
unzip vagrant-rails-centos6-1.0.5.zip
mv vagrant-rails-centos6-1.0.5 baukis
cd baukis
vagrant up

ネット環境やPCのスペックにより30分〜1時間程度かかります。

ゲストOSにUbuntuを採用する場合

mkdir -p ~/projects
rm -rf ~/projects/baukis
cd ~/projects
mv ~/Desktop/vagrant-rails-trusty64-1.0.4.zip .
unzip vagrant-rails-trusty64-1.0.4.zip
mv vagrant-rails-trusty64-1.0.4 baukis
cd baukis
vagrant up

ネット環境やPCのスペックにより30分〜1時間程度かかります。

動作確認

  • vagrant ssh コマンドでSSHでゲストOSにログインします。
  • 以下のコマンドを順に実行して、Ruby、Rails、MySQL、PostgreSQLがインストールされていることを確認します。
ruby -v
rails -v
mysql --version
psql --version

すべてのコマンドでバージョン番号が表示されればOKです。各ソフトウェアのバージョン番号は、以下の通り: Ruby 2.1, Rails 4.1, MySQL 5.6, PostgreSQL 9.3。バージョン番号の3桁目は変化します。バージョン番号の前に警告メッセージが出ることがあります。バージョン番号が表示されず、エラーメッセージが出る場合は、hermes@oiax.jp までご一報ください。

  • exit コマンドを入力して、ゲストOSからログアウトします。

その他の注意事項 New

ゲスト OS として CentOS を利用する場合

  • 書籍の p.47 で Gemfile の末尾に記述を加える際、最初の gem 'therubyracer', platform: :ruby という行を除いてください。

MySQL を利用する場合

  • 書籍の p.48 で bin/bundle コマンドを実行する前に、テキストエディタで Gemfile を開き、gem 'mysql2'gem 'mysql2', '~> 0.3.13' に書き換え、bin/bundle update mysql2 tzinfo コマンドを実行してください。

PostgreSQL を利用する場合

  • 書籍の p.48 で bin/bundle コマンドを実行する前に、テキストエディタで Gemfile を開き、gem 'rails', '4.1.0'gem 'rails', '~> 4.1.16' に書き換え、bin/bundle update rails tzinfo コマンドを実行してください。

学習を始める前に正誤表をご覧ください。